自宅でも楽しめる燻製器のご紹介シリーズ第2弾♪
一口に燻製器といっても、温燻と冷燻どちらの方法で燻製するのかによって選ぶギアも違ってきます。今回は冷燻の燻製方法を4つの燻製器で挑戦してみました。結果、金属には金属の良さが、段ボールには段ボールの良さがあるようです。

試してみた、4つの方法はこれ!
アウトドアデイジャパンをはじめ、各種イベントで燻製調理を教えて10年の大ベテラン「スモーク佐藤」が調整したDIY段ボール燻製器。

段ボールスモーカーのメリット&デメリット
※以下はDIYダンボールくん正規の例でご紹介します。
「スモークさとう」は、秦野市や大和市などで燻製教室を開催しています。月刊誌でも燻製づくりを取材されるほどの大ベテラン。徐々に洗練されていったという段ボール燻製器で、黄金色の燻製チーズを作っています。
●:組み立て簡単!でも細かいパーツも入れるとコンパクト???
段ボール燻製器の構造は至ってシンプル。箱の中に着火したスモークウッドを置いて、上に網を置いたり串を刺したりして食材を固定します。こちらのタイプは蓋開け型。この上に網を乗せて、蓋を(パカっと)閉じます。
一見すると、段ボールと網だけなのでコンパクトに収納できそうな段ボール燻製ですが、実際にはさまざまな小物が必要です。写真のパターンで使用しているのは下記の6点。
1:着火したスモークウッドを乗せる耐熱トレー、2:食材を乗せる網、3:食材のが落ちたりした時に地面を痛めないようにするためのトレー、4:煙が逃げてしまわないようにするための蓋、5:風で倒れないようにするための重石、6:チーズに網目がつかないようにするためのシート
1は楕円形の魚缶詰の空きスチール缶でも代用可能。3や4には一斗缶の蓋を使用していますが、別のもので代用してもOK問題ありませんが、それらの小物をとっておくとなると結構かさばります。
ちなみに6のシートはカインズのまな板シートを使用(耐熱温度80度)しても大丈夫でしたので、こちらは使い捨てもOK可能ですね。
×:紙は熱源が触れると炎上の危険あり
スモークウッドとはいえ、前回記事でご覧いただいたように結構な熱が上がってきます。ウッドから約30cm離して燻しているベーコンでさえ、このこんがり具合。万が一ウッドがダンボールに触れてしまったら、あっという間に火が出て食材ごと炎上です。
燻製中は防火用水を準備して、風に注意しつつ側で見守ってあげて下さい。(万が一の時、消化器を使うと食材全損ですが、水なら乾けば食べられます。)
●:食材の水分が抜けるので、酸味の少ないコクのある仕上がりに
オリーブや豆腐、ししゃもなども燻製にできるって知っていますか?しかもこれが結構いいお味になるんです。あらかじめ1晩風に当てておいたり、冷蔵庫内で何日か乾燥させておいたりはするのですが、それでもナッツなどに比べたら、食材自体の持っている水分が多いのは否めません。
金属製のスモーカーで燻すと、蓋の部分に食材から出た水分がついて水滴になり、食材にポタポタと降ってきてしまうこともあります。その点ダンボールならば、箱自体が水分を吸ってシナシナに。。。
余分な水分は酸味の元になってしまいますので、この吸湿性は見逃せません♪
▲:1度きりの使い捨て?部屋には燻製臭が
スモークさとう程の大ベテランになると、燻製食材用の冷蔵庫があったり、燻製備品置き場がきっちり確保されているようですが…、我が家にはそんな素敵なスペースはありません(笑)
スモーク後の段ボールは、(お察しの通り)香しい燻製臭がします。そのまま家の中に置こうものなら、玄関開けてすぐに一杯やりたくなるほどのいい匂い。
燻製大好きで、基本的に家でお仕事している方ならいいのですが…、どんなに好きでも、女子中学生の制服から燻製臭がするのはいただけないですよね。
段ボール燻製する場合は箱を1回使い捨てにするか、ご家族の理解を得る必要がありそうです。
絶品燻製が作れる!?DIY段ボール燻製のポイント
スモークさとうに燻製を習った際、細かなポイントはたくさんあったのですが、基本的に大事になるのは以下の5点のようです。
①ウッドへの着火はきっちりと!カット面全体から煙が出るまで待って使う。
②熱源から適度な距離をとり、温燻になってしまわない(食材に熱が入らない)ように注意する。
③不安なら温度計を使用して、燻製器内の温度をチェック。
④食材はあらかじめ半乾燥させて、水分を減らしておく。
⑤最初は10分ぐらいで様子をみて、その後の燻製時間を決める。
これ以外は正直、試行錯誤した経験がものを言いそうです。チースの燻製1つとってみても、チーズの銘柄が変わると味はぜんぜん違ってしまいますよね。いつも・どこでも手に入り・割と手にとりやすい価格帯の食材で・気温や湿度や風に合わせて燻製時間を変えて調整する…これはもはや熟練の神業でした!
私はまだまだ、温度管理や均一に燻す技術等、毎回試行錯誤です。ダッチオーブンを使って食材に火を通しながら燻す”温燻”に挑戦することもあり、味は全然安定しませんが…ちょっとぐらい失敗しても格別に美味いのが、自家製燻製のいいところなのです。


↑温燻の方法もご紹介しています。こちらも合わせてご覧ください。
コメント